非常に多数のユーザーが無料もしくは安価な定額で使える容量無制限のクラウドストレージ的サービスというのは、遅かれ早かれ限界を迎えるものである。
容量無制限無料ストレージの限界といえば、最近だと「Docker Hub に保存したコンテナイメージ、無料プランでは 6 カ月間使われないと削除へ」という記事が記憶に新しい (その後オープンソースのプロジェクトは適用外にするという発表があった)。
3 年前には「日本でも廃止 Amazon の容量無制限ストレージ」なんてのもあった。
Google フォトに広告を表示するようにしてコストを回収できないのだろうかと少し考えてみたが、問題となるのはアップロード・ダウンロード時の回線の使用料ではなく、恒久的なストレージの使用料である。
当然これはストレージ容量 (総容量) に比例して高くなるわけで、ストレージ容量に応じた金額分の広告を表示するなんてのは、まぁ無理だなと。
わたしのように「高画質」で Google フォトにバックアップしてるユーザーは容量無制限の恩恵を受けてることになり、今後 (来年 6 月以降) の選択肢はこんな感じ:
- 無料枠の範囲で使い続ける
⇒ 動画はともかく、写真は「高画質」だと結構小さくなる。
写真がメインで、かつ Google ドライブに充分な空きがあれば、まだあわてるような時間じゃない。
暗い写真や不鮮明な写真、大容量の動画などを削除候補として提示する無料ツールが提供される予定なので、そういうのを駆使して無料枠の範囲で使い続ける案。
- 無料枠を溢れてから考える (先送り)
⇒ ひとまず気にせず使い続けて、溢れたら改めて考える案。
今まで通りのペースで使い続けた場合にいつごろまで無料枠で使えるのかを予測する見積もり機能があり、わたしはあと 4 年以上使える計算だそうだ。
4 年後に
1.
を選ぶか
3.
を選ぶか。
- Google の有料プランを使う (画質据え置き)
⇒ 考え方によっては手元に置くストレージよりも安全といえるクラウドのストレージが 100G バイトで月額 250 円。
「高画質」のままなら、月額 250 円で十数年分の容量が手に入るかもしれない。
- Google の有料プランを使う (ついでに画質を上げる)
⇒ どうせ課金するなら「元の画質」でバックアップしちゃおう案。
これだと現時点でも 100G バイトでは足りないユーザーがいると思われ、必要な月額は容量次第。
- 他社サービスの有料プランを使う
⇒ Google フォトの強力な検索機能を必要としないのであれば、この選択肢も視野に入れられる。
有名どころだと『Amazon Photos』があり、プライム会員なら写真は容量無制限。
ただし動画は無制限じゃないということと、冒頭に書いた「無料もしくは安価な定額で使える容量無制限のクラウドストレージ的サービスというのは、遅かれ早かれ限界を迎える」のパターンに合致することから、注意は必要である。
わたしは Google フォトにバックアップする目的が「検索」で、写真に含まれる物体や人物の名前だけでなく、スマホの Google ロケーション履歴と紐づいてる地名や店名などを指定して検索するという使い方をするので、Google から離れることができない。
となると、今のところ
2.
かな。
それに加えて
5.
を併用してみるのはアリかも。
Google フォトの「高画質」は元の画質そのままではないため、検索用としては問題なくてもバックアップとしてはイケてないわけで、オリジナル画質の写真が無制限に保存できる Amazon Photos は強い。
なお今回の Google のポリシー変更について、「画像認識や Google カメラなどに用いる AI の機械学習に食わせる教師データとして充分な量のサンプルが得られたから、無料で提供するうまみがなくなったのではないか」と邪推する説もあり、個人的にこれは腑に落ちる。
「高画質」設定で一定のクオリティに統一された写真や動画は、教師データの前処理がひとつ終わった状態といえよう。
さすがに公開設定にしてないデータは使われないはずだけれども。